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手軽に利用できるミネラルファンデーション

副交感神経が働き始めるのは、夜の一一時〜二一時頃から、午前の三時〜四時くらいだといわれています。 その時間帯に眠らずに起きていると、交感神経が働いてしまい、体と心はいつまでも安まることがありません。
体と心の支障は当然、肌に現れてきます。 肌は、体と心の内部を写す鏡といってもいい存在です。
肌が体の他の器官の健康と密接に関係しているのは、なぜでしょう。 知るためには、肌=人間の体を被う皮膚がどんな役割を果たす器官か、きちんと知る必要があります。
皮膚の大きな役割は、外界から体の内部を守ることにあります。 皮膚は体の表面を包んではいますが、体を包む衣服のようにそれだけで独立しているのではなく、体の一部でもあります。
それゆえ、外部からの刺激ばかりではなく、内部からの刺激、体と心からくるストレスにも大きな影響を受けるのです。 皮膚はどのような構造で、外界の刺激から私たちを守ってくれているのか、本当はよく知らない女性も多いのではないでしょうか。
皮膚の構造をきちんと知ることは、美しさの秘密を解き明かすことです。 美しさのヒント、正しい化粧品選びのヒントを得るためにも、是非とも知っておいてほしいと思います。
人間の皮膚は大きく三つの構造(五九ページの図2参照)に分けられます。 表皮、真皮、皮下組織です。

人間の体の構造というものは、それ自体がまったく無駄なく機能するようにできていますが、この皮膚の三つの要素も人の体に必要なものばかりです。 皮膚の一番奥にある皮下組織は、皮膚の下にある筋肉や骨との間にあります。
この部分は脂肪を多く含んでいるので、皮下脂肪組織とも呼ばれています。 皮下組織はクッションの働きをしています。
皮膚が外傷を受けにくくするのと同時に、外界の圧迫などから、皮膚の下にある筋肉や骨を守る役割を担っているのです。 また、脂肪は熱を通しにくいので、外の熱から体を守ったり、逆に体の熱が外に出ていったりしないように、保温効果も果たします。
皮下組織の役割は、どちらかというと体の内部と皮膚の緩衝材なので、「皮膚」の具体的な仕事をしているのは、表皮と真皮ということになります。 真皮は表皮の下にある厚い層で、皮膚の土台を担っています。
土台なのにもかかわらず、真皮は固くできている組織ではありません。 たっぷりと水分を含んでいます。
それには理由があります。 人間の体に必要な栄養分や酸素などの成分は、血液という形で体中に行き届くようになっています。
体のすべての細胞に血管を通すのは不可能です。 そこで、多くの血液中の成分は、水分を介して供給が行われるのです。
皮膚でいうと、血管は真皮の途中までしか届いていません。 人間の組織である以上、血管が届いていない表皮にも栄養補給の必要があります。
真皮が骨のように固い組織であると、栄養分が表皮まで行き渡らないのです。 水分を含んだ柔らかい層でありながら、表皮をしっかりと支えなければいけない。

驚くべきことに真皮のなかには、その矛盾した役割に耐えうる構造がきちんとできています。 真皮の構造物のなかには、いわゆる「コスメ通」の女性にはおなじみの名前が多く出てきます。
まずは、「コラーゲン」。 真皮のなかをジャングルジムにたとえると、コラーゲンはパイプの役割をするものです
コラーゲンのパイプとパイプの間には、バネ状の弾力繊維がくっついてジョイントをつくっています。 この弾力繊維を「エラスチン」といいます。
コラーゲンのパイプとエラスチンのバネがあることによって守られているのが、「ヒアルロン酸」などの水分を含んだ寒天状の基質です。 この組み合わせによって、真皮は水分を含んだ柔らかい層でありながら弾力性に富むという性質を保っています。
時間がたって組織が古くなると、コラーゲンは構造を支えうるしっかりしたものではなくなり、使い古されたぞうきんのようにねじれて短くなって、パイプの役割を保つことができず壊れてしまいます。 エラスチンも弾力を失って切れていきます。

そうすると、支えてくれる枠を失ったヒアルロン酸も切断されてしまいます。 この構造はいったん壊れてしまうと、勝手に元に戻ることはありません。
ところがそこは上手にできていて、古くなってダメになった組織を再利用して、また新しい組織としてつくり直す線維芽細胞というものが、真皮のなかにはあるのです。 年齢を重ねると共に、組織は痛んでダメになりますが、線維芽細胞が働いている限りは、常に新しいものと取り替えてもらえます。
ただ、線維芽細胞も年を取るにつれ、疲れてきます。 若いうちは毎日のように新しい組織をつくってくれていたのが、だんだんスピードが落ちていって、再利用されない古い組織が真皮のなかに溜まっていくようになります。
さらに進行すると、細胞が死んでしまってかつての役割がまったくできなくなってしまうのです。 そうすると、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸をはじめとする基質が1体となってつくっていたジャングルジムが失われてしまうので、水分が保てなくなります。
皮膚の表面積は変わらないのに、水分が失われたとなると、一番初めにシワがよるようになります。 さらに真皮の水分が失われてしまえば、表皮まで栄養が行き渡らなくなるので、表皮も傷んできます。
「そんなふうに肌を老化させないために、化粧品でコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を供給しているから大丈夫」 今までの話を読んで、そう思った方も多いかもしれません。 確かに最近、コラーゲンやエラスチンが配合されている化粧品をよく見かけます。
体に含まれている成分なので、効果てきめんのイメージがあるのでしょう。 ところが、こういった成分は皮膚からはほとんど浸透しないのです。
皮膚の表面にはところどころ毛穴や汗腺が開いているので、そうしたところから少量は入ります。 表皮の表面は角質層で覆われてガードされているので、分子量の大きな成分は真皮に届くことなど到底ありません。
化粧品成分の肌への浸透の度合いは、化粧品メーカーのイメージ戦略によって誤解されている事柄の一つです。 女性の皆さんは、よく化粧品のコマーシャルや説明書きなどで、化粧品の成分が肌に浸透していく映像を見たことがあると思います。

冷静によく考えてみて下さい。 あんなふうに面白いように、肌が化粧品を吸収するなんてことがあり得るでしょうか? もし、肌がそんなに吸収がよければ、人はお風呂に入っただけで、水分をたっぷり含んで膨らんでしまうのではないでしょうか。
皮膚のなかに浸透できる成分の分子量は、だいたい五万くらいのものが限界ではないかといわれています。 コラーゲンの分子量は1〇〇万上二〇〇万あるはずなので、皮膚のなかには入れないのです。
万が一、化粧品のなかのコラーゲンが外から浸透して真皮まで入ったとしても、エラスチンやヒアルロン酸と組み合わさることはありません。 工具だけを投げ入れるようなものです。
第一、化粧品のコラーゲンと皮膚のなかでつくられるコラーゲンは違うものなのです。 エラスチンの場合も、外からの投与はコラーゲンよりさらに意味がないといえます。
エラスチンはバネ状の形をしているので、放っておくと縮んでしまいます。 コラーゲンのパイプとパイプの間にあって、広がっている時は水を抱えることができますが、そうでない時は小さく縮んで広がる機会がないのです。

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